
佐藤千紗さん
新卒新人でこども病院に就職した佐藤さん。手術室に配属されて2年目になりました。
佐藤さんが看護師を目指したきっかけは?
高校生の時に、病気と闘う子どもの特集をテレビで見ました。その時に、病気と闘うその子が書いていた作文は 『将来の夢は、普通に生活をすること』でした。当たり前だと思っていた生活が、病気の子どもにとってはそうではないと、その時、はっとしたんです。それで、はっきりと、そのような病気の子どもの支えになっていければと思い、看護師になることを目指しました。
最初から手術室を希望されたんですか?
はい、そうです。看護をしていく上で、まずは解剖をきちんと知っておくことが必要だと思って希望しました。 手術を受けるって、子どもにとっては、ものすごく大変な体験です。何回も手術を受けないとけない子どももいるし、本人だけじゃなくて、その子のきょうだいや両親、その周りの人もみんな大変ですが、すごく協力してくれます。手術中の体温調節一つにしても、術中の関わりにかかってきます。手術中のすべてのことが命に関わるし、起きている時だけが子どもとの関わりではないと思ったので、手術室で頑張ろうと思いました。
今目指しているのは、どんな看護師ですか?
手術室には、もう何歩も先を考えていて、手術をスムーズに進行させることができる、すごい先輩がいます。手術がスムーズに進行すれば、その分、麻酔をかける時間も短くでき、その子に対して侵襲を最小限にできます。そんな先を読む力のある看護師になりたいですね。そのためには、視野を広く持って、まずは、基礎をしっかりと完璧に出来るようになることが必要だと思っています。
技術は努力次第で身についていくと思うので、先輩を目指して毎日頑張っています。

やりがいを感じる時は?
手術室は、起きている子どもとの関わりが少ないのかと思っていましたが、そうでもありませんでした。手術が終わった後、子どもに『昨日はありがとう』や『治ったよー』と声をかけてもらうことがあります。また、術前訪問をした子どもが手術室に搬入された時、覚えていてくれることもあります。
手術室に入った子どもたちに心電図モニターを貼る時に“これ、お利口さんシールね”って言って貼るだけで、子どもに笑顔が出ます。手術室に入って少しでも子どもの“怖い”という思いを減らすことができればと思っています。
新卒で就職して技術的な心配はなかったですか?
大学卒業前に何回か小児の技術演習のフォローアップを受けていましたし、就職してからも、小児看護の技術研修を2週間受けてからの配属だったのでそれほど不安はありませんでした。
手術室に配属になっても、先輩たちみんなが支えてくれました。何もできない私に何回も同じことを言ってくれて、本当によく教えてもらっています。先輩たちも時間がない中で、初めて付く手術の器械出しの説明は事前に根拠も含めてきっちり教えてくれます。手術室の先輩みんながそうです。
2年目になっての役割は?
看護師2年目となり、新卒の看護師の主に精神的な支援をする“サポーター”をやっています。去年は私が新卒新人でした。私もサポーターの方や先輩スタッフと一緒にお食事に行って話を聞いてもらったり、落ち込んでいる時には『大丈夫だった?』と気にかけてくれたことで、助かりました。また、1年間終わって、先輩からと先生たちからのメッセージを書いた色紙をもらいました。1年間頑張ったことを褒めてくれて、2年目も頑張ろうとモチベーションがあがりました。 今度は、自分が1年目の新人にたくさんのことをしていこうと思います。